デイリーではないけど関西版サンスポの一面がこれだぞ



阪神、悪夢の開幕7連敗 オウオウオウ…大阪タイガースが泣いている

負けたらアカン! 阪神は1日、今季初対戦の巨人に5−6で敗北。球団ワーストを更新する開幕7連敗となり、データ上、優勝確率は0%となった。「伝統の一戦 〜THE CLASSIC SERIES〜」として大阪タイガースのユニホームを着用したが、序盤で勝負あり。打倒・沢村、打倒・川上を合言葉に西の雄として立ち向かった闘志はどこへ−。レジェンドたちが泣いている。

流れに任せて袖を通しただけであれば、今すぐユニホームを脱げばいい。プレーボールがかかる直前、胸元のボタンをとめながら、どれほどの選手が重く♀エじただろうか。「大阪タイガース」が泣いている。帽子の「O」も「OSAKA」のロゴも−。一回1死、藤浪が坂本に先制ソロを献上。わずか9分。また、後手にまわった。

「大きなことを言えることは今はないけど、目の前のことを必死にやっていきます」

矢野監督は「必死」だと説明した。開幕から球団ワーストを更新する7連敗。NPB史上、これで優勝した球団はない。優勝確率0%。2月のキャンプ中に予祝として実施した胴上げを実現できるかどうか、最初の伝統の一戦にかかっていた。

どんなときでも巨人に勝つ。東京に負けない。いくら暗黒時代やダメ虎といわれようが、その魂は誰もがもっていた。2003年に18年ぶりのリーグ優勝を導いた星野監督もそう。闘将の指導を受けた矢野監督も就任1年目を3位で終えた19年12月、球団納会で「強い巨人を倒すように全力でやっていこう」と約束したが…。

プロ野球草創期の1935年に日本東京野球倶楽部(東京巨人軍)に対抗しようと、大阪タイガースが誕生した。巨人のエース・沢村栄治に景浦将が二刀流として立ち向かった。36年12月、初代日本一を争って現東京・江東区で行われた「洲崎の決戦」。周囲がトタン板で囲われ、木造式の内野スタンドで地盤も不安定。その地でプロ野球初の年度別優勝決定戦が行われた。3連投した沢村に敗北し、虎は強くなった。「物干しざお」と呼ばれたバットを愛用した藤村富美男、土井垣武、別当薫ら強力な攻撃陣でダイナマイト打線≠形成。反骨心を思い出させてくれるのが、この日の「伝統の一戦 〜THE CLASSIC SERIES〜」だった。
藤浪は四回までに6失点。糸井、近本の適時打などで反撃を開始し、九回には大山の2ランで1点差に迫ったが、届かず。次戦につながるとはいいがたい、ダメージの大きい黒星。試合序盤から飛ばし、七回まで3失点で投げた菅野は明らかに伝統の一戦を意識していた。昨季は13勝9敗3分けと虎に軍配が上がった。やられたらやり返す。その迫力は相手が完全に勝っていたわけだ。
試合後、主力選手だけで緊急ミーティングが行われたもよう。相手の攻略法や一時的な士気だけでは長続きしない。矢野監督が今季限りでの退任を表明して臨む異例のシーズン。先輩たちが築き上げた歴史を汚してはいけない。大阪タイガースとして、東京に勝つ。もう一度、虎の宿命を思い出さなければいけない。(新里公章)