「不正はなくならない、絶対に。」以降のカットされた部分や

八角「世の中で、データ偽装、隠蔽をやってるどの会社も一緒。何度だってやるってことです。
列車シートのデータ偽装をやってしまった日から、20年間ずーっとこのことだけを考えていました。人間てのは、愚かな生き物ですからね。特に日本の場合、会社の常識が世間の常識よりも大事になってしまう。
なんかこう、日本人のDNAに組み込まれてるっていう気がするんですよねえ。藩のために命をかける。
まあ、かっこいい言い方すると、侍の生き様っていうんですかねえ?昔でいう藩、今でいう会社。それを生かすためなら、人の命より会社の命を優先しちまうっていう。
欧米の人が聞いたら、そんな会社なんかとっとと辞めて、他に移ればいいって思うんでしょうけど。侍はさ、藩から出されるのは、負けだと思ってるんですよ。忠誠心って言えば聞こえはいいけど、逆に守られてもいて。
まあ、そういう持ちつ持たれつの、日本独自の企業風土が、この資源も何もないただの島国を先進国にまで押し上げたっていう功績もあるわけで。いいこともあれば、悪いところもある。1つ言えることは、ひたすらガキみたいに、言い合っていくしかないんじゃないすかね。悪いことは悪い。命より大事なものはないって。それができれば、なくなりはしないが、データ偽装、隠蔽なんかは、減るんじゃないかと、思いますよ」