昼下がりのドーム内。打撃練習をしていた西勇に新人コンビが歩み寄ってきた。右腕は練習を中断し、正座する2人に自らも腰を落として語りかけた。トレーニング器具の扱い方、球場ロッカー内に落ちているゴミに素通り―。初日からずっとモヤモヤしていた気持ちを正直に打ち明けた。

 「今は誰も言う人がいないから。『1年目だったらこういう行動が社会人は大事じゃない?』って(伝えた)。『荷物が散らばってるのに、新人が帰っていいの?』とか、去年なら(藤川)球児さんがこういうことを言ってくれただろうなって思い出して。(自分の場合は)オリックスの時に先輩が『嫌われてもいいから』って(言いづらいことでも)言ってくれる人が多かったので。俺はそれがうれしかったし、嫌だと思わなかった。そういう人たちに感謝してるので、同じように(自分も後輩に)言うだけでもいいから言った方がいいと思いました」

 伊藤将は「新人なので目配り、気配りをしっかりしていこうと思います」と気を引き締め、佐藤蓮は「新人としてどうあるべきか話してもらいました」と感謝した。「キャンプ後半でどう変わっていくか見たいなと思います」。西勇は“嫌われる”こともいとわず、若返ったチームを変えていく。

あえて嫌われものになるってタイプのやつって普通に嫌われとるよな