>>287
まず使用されている京都弁がおかしいのには閉口しました。
婦人服店の経営者の美恵子さんの使う京都弁は、大阪弁でした。
77pの「せや」は大阪弁です。正しくは「そや」、「せやねん」は正しくは「そやねん」、以下同様に「せやから」は「そやから」が正しい京都弁です。このような誤用はかなり頻繁に登場していました。違和感があります。
また、京都の比較的良いお家に生まれた年頃の娘が「おかん(110p)」とは言いません。品が問われます。

桜の種類も咲く時期も分からないのも困ったものです。
鴨川の満開の桜を主人公が自転車で走るシーンがありました。鴨川べりに咲いているのはソメイヨシノが多く、たまに枝垂れ桜もあります。
鴨川の桜が満開の日に、仁和寺の桜を見に行くように話は展開されていました。御室桜は「見事」と表現されています。
ソメイヨシノと「御室桜」の満開は、大抵10日間ほどずれます。年によっては2週間ほどずれます。少なくとも鴨川が満開の時に「御室桜」は咲いていません。

本書の内容や出来栄えについては他の方が書かれていますので、省略します。
京都や骨董をテーマにしてストーリーを展開するのは、ある程度それらを理解されてから書かれた方が良いと思います。