兵庫県は6日、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナから県内へ身を寄せた避難者を対象に、生活支援金として1年間で最大214万円を支給すると発表した。既に3世帯が県内の公営住宅などで生活を始めているという。今後さらに避難者が増えれば、就労や教育、福祉、医療面などでのサポートも必要になるため、庁内にプロジェクトチーム(PT)を立ち上げ、部局横断的に対応する。

 斎藤元彦知事が同日の定例会見で説明した。県はウクライナ支援に向け、3月からふるさと納税制度を活用した寄付の受け付けを全国に先駆けて開始。4月4日までに県内外から2420件、計3578万円が寄せられた。

 生活支援金はこれを財源に充てる。公営住宅への入居を念頭に、食費や光熱水費などの生活費として各世帯に月額12万円を最大1年間支給するほか、生活用品の購入費を50万円まで実費支給する。避難後、一時的に宿泊施設を利用する場合は、20万円を上限に費用を支援する。公営住宅ではなく、親族宅などで生活する場合も「状況に応じて柔軟に対応する」としている。

 庁内のPTは国際局長を取りまとめ役に、関係各課の課長クラスで構成する。7日に第1回会合を開き、今後想定される課題などを協議する。

 県によると、3月に県国際交流協会に設けた窓口にはこれまでに96件の相談が寄せられた。県の支援内容に関する問い合わせのほか、社宅や生活物資の提供、人材の受け入れなどに関する申し出もあった。

 斎藤知事は会見で寄付への感謝を述べ、「(避難者の)生活準備、日常生活へのスムーズな移行を支援し、安全安心に過ごしてもらいたい」と話した。(田中陽一)

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