>>156
はい
「日本ハムでは、あらゆる面で監督に決定権がないからね。コーチ人事も、選手の獲得も、ドラフトも、一軍と二軍の入れ替えすらフロント主導で行いますから。栗山監督は、そこまでを事前に理解した上で監督を引き受けてくれる人物だった、ということでしょう」

 日本ハムの監督に必要な適性は、「日本ハムの一員になりたい」という熱意と、「爽やかさ」なのだという。

 思えば、今季開幕前に日本ハムの優勝を予想した解説者やスポーツ紙は皆無に等しかった。絶対的エース・ダルビッシュ有(現レンジャーズ)の抜けた穴を埋める補強が行われなかったことに加え、新米監督の登用が、しばしば「不安要素」として取り上げられた。

 では「何もしない」監督の下、日本ハムはどのようにして下馬評を覆し、混戦のパ・リーグを制することができたのか。

 藤井氏は、「ファイターズは、監督が変わったくらいでは弱くなるはずのないシステムを持っているから」と前置きをした上で、こう続ける。

「監督だけじゃないな。ファイターズの強みは、何が変わろうが、ブレない軸を持っているというところにあるんです。その『軸』とは、根拠あるスカウティングにより獲得した選手を、自前のシステムで育成する、という一点に尽きます」