自己啓発本の鬼だからな矢野
どこまで啓発し続けんねんってくらい自己啓発してる

何もここまで…と言う気もするが、チームに“予祝”を流行らせた矢野監督は元々が独特だ。「オレは別に偉いわけでもないし、監督が上で選手が下とかはない。だから“矢野さん”と呼んでくれたらいい」と異例の“さん付け”をナインに奨励していたし、試合中は「矢野ガッツ」と呼ばれる感情むき出しのポーズを決め、勝った試合後には本当に感動して「男泣き」する場面もあった。

大の読書家でキャンプ中は30冊もの本を持参。当時ブームだったアドラーの心理学ものはすべて読破し、ナインにも勧めていた。また、「物事は取りよう。コップに半分の水があって、この水が半分しかないと思う人がいれば、まだ半分もあると思う人もいる。大変か楽しみかは全部自分で決められること」と“コップの水理論”を説き、不振続きのナインを「負けが込んでいてもまだ4月ということでしょ」と奮起させたのは記憶に新しい。

矢野監督から何度か聞いた言葉がある。「“言霊”というものがあって、それを言い続けることで本当のことになる。オレは監督をやる限り、それを続けていきたい」と…。前代未聞となった早すぎる退任表明と胴上げ。賛否は当然覚悟の上だろうが、今は本当のこととなると信じるしかない。