天国に旅立った父へ雄姿を届けた。プロ初勝利を挙げた3日の阪神戦(東京ドーム)の翌4日、父・篤志さん(享年58)が他界。
2年前に食道がんが発覚した父はプロ初登板先発だった3月27日の中日戦、闘病中ながら、なんとか見たいと車いすで東京ドームを訪れていた。
惜しくも、目の前でプロ初勝利を見せることはできなかった。だが、待望の初勝利をテレビ越しに届けることはできた。
「小さい頃から応援してもらっていたので、初勝利を挙げられてうれしい。ウィニングボールは親に渡したいと思います」。
歓声を浴び、ヒーローインタビューを受ける赤星の姿をテレビ越しに見た篤志さんは大粒の涙を流して喜んだという。
「息子の勝利を待っていたかのようだった」と母・笑子さんも涙ながらに語った。

この日は篤志さんの写真を手に笑子さんが観戦に訪れていた。「死ぬ前に初勝利できてよかった。お母さんも体に気をつけて長生きしてくれ」。
母にそう伝え、東京ドームのマウンドに立った。父との一番の思い出は小学校時代の野球の特訓。ノックを打ってもらったり、トスを上げてくれた。
プロ初勝利の記念球を直接手渡すことはできなかったが、天国で見守る大好きな父へ、精いっぱいの恩返しができた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e5d981a0fd4faf64319fce4573ae54d802fba9d3