丹波はキレとハッスルを重視してるから…

 −−丹波さんが苦労された部分は

 丹波 僕は審判の中でも体が小さい方なので、動きのハッスル度や判定の「キレ」で勝負しないとなかなか目立たないというところがあります。ハッスルは大切なところで、僕らがダレると全部ダレちゃう。たとえば指揮者が抑揚をつけずにタクトを振ればそういう音楽しかできないと思います。どんな試合展開でも審判だけはハッスルしていると、その姿を見てついてくる選手がいると思うんです。

 −−丹波さんが審判の個性として重視する部分は

 丹波 審判の説得力を表現する上では、動きのキレやプレーの判定を下す「間」ですね。そこはすごく個人差があります。判定の迷いがわかったり不安定だったり、玄人好みの間もあります。選手や審判員から信頼の厚い人を見ていると、その「間」が説得力になって、判定が間違っていても合っているのかなと思わせてしまうものがありますね。