矢野虎、異例!練習前に心のミーティング 講演家・中村文昭氏招き1時間

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7日に予定されていた阪神−DeNA(甲子園)は、DeNAの選手らに新型コロナウイルス陽性判定が相次いだことを受け、中止となった。1勝10敗という苦境から立ち上がるべく、阪神・矢野燿大監督(53)が自己啓発など多数の著書で知られる講演家の中村文昭氏を招き、試合に備える練習前としては異例のメンタルトレ≠実施。約1時間のミーティングで選手らに気づき≠与えた。

このチームのためならなんだってやる。本来であれば試合に備える時間だった練習前にも、届けたい言葉は届ける。今季限りでの退任を表明し、今できることすべてをやり切ろうとしている矢野監督が、ミーティングを開いた。1勝10敗と苦境にあえぐ選手らを、自己啓発の著書などで知られる中村氏と対面させた。

「中村文昭さんという人に来てもらって、話をしてもらった。いろんなことを言ってもらったけど、野球も、みんなそうやけど、大事なところは一緒やから」

早出組が練習を開始する予定だった午後2時を回っても、選手はおろかスタッフもグラウンドに姿を見せなかった。ミーティングが行われていたことは明らかだったが、全員の前でしゃべったのは監督ではなくその道のプロ≠セった。指揮官は続けて「俺らが結果がうまくいっていないから気づけていないところもあるし。逆に苦しいスタートになったからこそやれることもあると思う。新しい気づきというか、そういうものを伝えてもらった」と明かした。

シーズン中では異例のメンタルトレ≠セ。しかも試合前。本来であれば二の足を踏むところ。だが、開催が決まったタイミングについて井上ヘッドコーチが「1週間…くらい前だったかな」と明かしたように、なるべく早く、なんとしても負の流れをせき止めたかった。矢野監督としても、苦しい今だからこそ少しだけ立ち止まり、耳を傾けてもらうタイミングを設けたいに違いなかった。

開幕9連敗も11戦での1勝10敗も、セ・リーグワーストを更新するほどの、とてつもなく大きなつまずきだ。起きてしまったことは変えられない。ミーティングを振り返り、佐藤輝も「ものはとらえよう、というか、聞いた話をしっかりとチーム全員で共有していきたいなと思います」と頼もしく前を向いた。ここから自分たちが変わる。