そして…。今年の皐月賞で、サートゥルナーリア&コントレイルを上回る大いなるチャレンジを行うのがイクイノックスだ。前走は昨年11月20日の東京スポーツ杯2歳S。骨折などの故障があったわけでもないにもかかわらず、5か月ものレース間隔が空くことになった理由を木村調教師はこう説明する。

「1歳の夏からイクイノックスのことは見てきました。すごく立派な骨格を持ち、いい動きもするのですが、背中まわり…いわゆるトップラインの肉付きが心もとなかったんですよね。それは2歳になって私の厩舎に来てからも変わらなかった。しっかり動かせばいいフットワークで走って素質を感じさせるんですけど、どうしてもリカバリーに時間がかかるんです。そういう中でも2連勝してくれて、東スポ杯ではびっくりするような勝ち方をしてくれたのですが、春のクラシックを鑑みた時に、セオリー通りに2月や3月のレースを使うと5月末までは馬がもたないように思いました。そこでオーナーサイドと相談をして、ダービーまでいい競馬をさせるために、できることなら2〜3月のレースはキャンセルさせていただきたいと申し出たんです」

結果、木村師の提案は受け入れられて、東スポ杯→皐月賞という異例のローテが実現した。
「ここまで時間をかけていただけたことで成長を感じています。数字的には10キロくらい増えましたし、たくましさも出てきました。レースでは張り切って走るのですが、その前後では落ち着きがあって、余計なところでエネルギーを使わないのがこの馬のいいところです」

マジでキムテツの進言なん?