ウクライナで取材中のカメラマン『不肖』宮嶋さん、ウクライナ陰謀説を唱えている日本人に怒る

4月5日、宮嶋さんはキーウ近郊の ブチャ取材のためのプレスツアーに参加 。そして、翌6日にはキーウから北西約60キロのボロディアンカへ向かった。ボロディアンカでは、ロシア軍がブチャで行ったよりもひどい残虐行為を実施した可能性があると指摘されている。街にあった複数の集合住宅が全壊するなど、ロシア軍による激しい破壊の様子がわかる。
 これが無差別爆撃の跡である。見てみい! この破壊力を。たった一発で団地、ビルがまるごと消し飛び、火の手に包まれたのである。この地までロシア地上軍は侵攻してきたが、その後撤収。自軍がいないことをいいことにまるで嫌がらせのように町に爆弾の雨をふらせたのである。

 これは戦略も理論も関係ないただの快楽殺人や。

 この地にいたロシア軍が蛮行を働いていたのも間違いないであろうが、民間人の大量虐殺や拷問等が行われていた証拠があるのは現在のところ前回紹介したブチャである。もっともボロディアンカで行われた「民間人大量虐殺」も「無差別爆撃」も国際条約違反の重大な戦争犯罪に間違いないが。

 せやのに遠いわが祖国ではいまだにウクライナが捏造したやの、陰謀説がまかり通っているっちゅう話やないか。せやから現場に来いというとるんじゃ。
洗ってもとれない人間の肉が焼ける匂いを嗅いで…

 この日のボロディアンカへのプレスツアーに参加した日本の新聞、NHKも含めたテレビ局の記者はやっぱりゼロやった。あれほど、米軍のイラク、アフガンへの民間人への誤爆は非難しながら、ロシアの無差別空爆はええんか? ボロディアンカの市民の話はいっかな無視やないか。

 洗ってもとれない人間の肉が焼ける匂いを嗅いでみんかい! 息を吸うたびにむせかえる埃と硝煙を頭から浴びてみい! これを見ても、家族を殺されたブチャやボロディヤンカの市民に「ウクライナ陰謀説」を問えるか?

ウクライナも今は戦時中や。ワシらほぼ全員がちょっとした撮影や行動でスパイ容疑をかけられたりする。身柄も一時拘束されたりする。

 ただ、特に検問所やバリケードでは、武器を持った将兵や警察部隊にカメラ向けることはできんが、そのほかの市民やプレスツアーで顔を合わせる軍人などには自由に質問できるし、そばに内務省の役人が控えていようと、質問をさえぎられることは一度もなかった。
カメラはペンより雄弁や。百聞は一見にしかずやろ?

 ロシアはそれやってるか? ロシア支配地域で取材許されとるんはロシア国営メディアだけやんけ。たとえ外国メディアが取材でけても、ロシア政府の気に召さない記事書いただけで、モスクワ支局員ともども15年の刑や。

 銃声を聞いたこともなく、戦場に行ったこともない自称ジャーナリストらのありがたーい意見を拝聴するぐらいやったら、このボロディアンカの様子を見に来んかい。百聞は一見にしかずやろ? ペンは剣より強いかどうかは分からんが、カメラはペンより雄弁や。これ見てもロシアのいうことに理があるというやつおるんか?」