全国の高校で唯一、競走馬の生産実習を行う日高管内新ひだか町の静内農業高で、平成最強馬ディープインパクトの孫が生まれた。同校で一昨年に初めて生まれたディープの孫の弟。生徒たちは「無事に生まれ、馬の母子に感謝しています」と喜ぶ。

 子馬は鹿毛(かげ)の牡で8日午後8時11分に校内の厩舎(きゅうしゃ)で生まれた。母馬を世話してきた生産科学科生徒のうち学校寮に住む2、3年生15人が、厩舎近くの部屋のモニターで出産を見守り「がんばれ」と応援。埼玉県出身の2年生堀川優馬さん(16)は「授業で1年間、馬を学んだので感動した」、出産直後に厩舎で子馬の身体をタオルで拭いた神奈川県出身の2年生牛尾夢我(むが)さん(16)は「体温が伝わってきて命を感じた」と語る。

 子馬の母はディープの子のナリタトップスターで、父は欧州G13勝の英国産種牡馬ノーブルミッション。ナリタが20年に産んだ兄の「星翔(らいと)(幼名)」は、昨年8月の1歳馬の競り市で520万円で落札された。