20年近く前の話。私は最高位戦に所属していた。 当時、一番お世話になったのが近藤誠一プロだ。
当時から近藤は人当たりが良く、誰からも好かれる素晴らしい人物だった。

ただ、私が抱いていたのはどこまでも「事務局の人」というイメージであり、事務局員として、各リーグの運営にあたり、東西奔走している姿が今でも記憶に残っている。
何度か同卓させてもらったが、キレイにそつなく打つものの、今ほど踏み込みが強いわけでもなく、特徴があるわけでもなく、失礼ながら麻雀の印象は薄かった。 近藤自身もそのような自分の状況に耐えられなかったのか、

「私は事務員をやるために麻雀プロになったわけではない」

と事務員を辞め、麻雀1本に絞った。 最高位を連覇を含む3回獲得、モンド名人戦連覇…その後の活躍を列挙すると長くなってしまうので割愛するが、昔の近藤しか知らない私にとっては、モニター越しにみる近藤はどうしても人が変わったように見えてしまう。阿修羅の形相で場をみつめ、高打点を作り、そして強烈に踏み込んでいるのだ。

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