いわゆる現役ドラフトについて、巨人・原辰徳監督(61)が「私としてはNO」と反対の姿勢を鮮明にした。
1月に日本野球機構(NPB)から選手会側に提示された案は、当初の趣旨が骨抜きとなってしまい、肝心の選手側からも「要らない選手の押し付け合いになるだけ」と反発の声が上がっている。

NPBが1月に提示した案は
〔1〕東京五輪によるシーズン中断期間の7月20日前後の実施
〔2〕各球団の支配下選手8人の名簿を提出
〔3〕各球団は最低1選手を指名。指名されなかった選手名は非公開
−といった内容だ。

だが原監督は現場を預かるトップとして、代表者会議後に「今のままの中身では到底、賛同できない」と明言。
本人の口から個別具体的な問題点を言及することは避けたが、球団フロント関係者らの話を総合すると、次のような懸念を抱いているとみられる。

まず〔1〕の実施時期だが、シーズンの佳境に入ってサインプレーを変更する必要がある。
すでに優勝争いやクライマックスシリーズ進出をあきらめた球団ならまだしも、秋以降の勝負所で同一リーグの全球団にわざわざ“スパイ”を送り込む羽目になりかねないのだ。
さらに、今季は五輪の中断期間中に無観客の非公式戦を行うため、サインを変える準備にもまだ余裕があるが、来季以降はペナントレースのただ中で移籍が発生。これではとても追いつかない。

〔2〕の各球団8人供出というのも、球団側が好きに選べる方式では不要な選手の押し付け合いになるのは目に見えている。
見込みのない育成選手をまとめて、現役ドラフト用にあえて支配下登録する方策も採り得る。
セ・リーグ球団のあるベテラン選手は「もともと選手会の趣旨は、1軍半レベルの選手を飼い殺しにせず、必要とされる球団に活躍の場を求めるものだったはず。
7月後半にもなれば、もう戦力外にする選手はだいたい決まっている。クビになるような選手を名簿に載せたところで、獲るメリットはどこの球団にもない」とバッサリ。

〔3〕の指名されなかった選手は非公開というのも、「どうせ、どこからか必ず漏れるもの。FAの(人的補償の)プロテクトリストだってそうだから」と前出選手は吐き捨てる。
チーム一丸となって戦うことを何よりも重視する原監督にとっても、シーズン佳境の夏場に誰が現役ドラフトの対象に選ばれるか選手にソワソワされては、たまったものではない。
名簿に載って指名されず残った選手の心境を思えば、チームの士気に大きくかかわる問題だと分かる。
https://www.zakzak.co.jp/spo/news/200219/bas2002190007-n1.html


〔1〕〔3〕は改善されたけど〔2〕は人数が8人から2〜3人に減って「いらん奴の押し付け合い」なのは変わらんな