叱ってくれる人とかいい人だけどんどん消えてくんスけどいいんスかこれ

 最終戦では梅野、岩貞、大山が涙を流した。特に3人は「チーム能見」として、自主トレを共にしてきた仲間だ。「リュウには一度、厳しいことを言ったことがある」。構え方やボールを受ける姿勢、投手との接し方。物足りない姿が歯がゆかった。誰よりも素質を認めるからこそ、あえて厳しく接してきた。

 「今年は少し出番も減った。それをどう捉えるかは本人次第。日本一の捕手になってほしいし、その素質は十分にある。でも、まだまだ。もっとやれる」

 また、岩貞はシーズン途中、リリーフに配置転換された。先発と中継ぎ、両方できるメリットがある一方、便利屋になる危険性もある。「どっちの役割をしたいか。その気持ちを大切にしてほしい。元々、視野が広い子。うまく乗せてあげると、いい働きは絶対にする」。最終戦の記念球はプレゼントした。「僕の意志とともに」。

 岩貞の号泣は予想通りだったが、「一番ビックリした」のは大山の涙だ。「悠輔一人にチームを背負わせたらダメ。岡本くんだって、前後を打つ打者がしっかりしている。みんなで4番を支えてほしい」。巨人の主砲にも負けず劣らぬ存在だ。だからこそ打線として相乗効果を期待する。