知床観光船が消息不明、子供2人含む26人乗り「沈みかけている」と通報

2022年4月23日 午後1時15分頃、北海道・知床半島の沖合で運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の観光船「KAZU(カズ) I(ワン)」(定員65人)から「船首が浸水して沈みかけている」と118番通報があった。

第1管区海上保安本部(北海道小樽市)によると、乗客・乗員は計26人で、うち乗客は子ども2人を含む24人。

通報を受け、同本部は船舶と航空機を派遣して捜索しているが、同日午後8時半現在、同船を発見できていない。

同社などによると、観光船は同日午前10時に斜里町ウトロを出航し、知床岬で折り返す3時間のコースを予定しており、通報時は半島西側の「カシュニの滝」付近を航行。118番の後、連絡が途絶えた

国土交通省などには、「同船のエンジンが故障し、自力航行できていない」との情報が入っている。乗客・乗員は、いずれも救命胴衣を着用していたとみられる。関係者によると、2人の子どもは、男児(7)と女児(3)との情報。

同町では同日午後1時現在、気温が平年並みの5・8度、風速は秒速1・7メートルだった。同町のウトロ漁業協同組合によると、現場の沖合は同日昼頃から波が高くて視界も悪く、漁船は午前中に引き返していた。

現場付近は断崖絶壁が続く海岸で、陸路からの接近は難しい。同本部は船舶6隻と航空機4機の態勢で捜索した。

今回、連絡が途絶えた観光船は、2021年6月にも航行中に座礁事故を起こしている。