北海道の知床半島沿岸で23日昼過ぎに発生した観光船「KAZU T(カズ・ワン)」の浸水事故で、同船が出港した斜里町ウトロの港では24日早朝、海難救助のため出港する船や、漁業に向かう船などがあわただしい動きを見せた。30代の漁業の男性は「昨日、ここで観光船に乗る前の男の子が走り回って楽しそうにしているのを見た。無事でいてほしい」と願った。

この男性は、所属する会社の船が海難救助のため一艘出ていることから、24日朝は岸壁に止めた車で出動を待機していた。23日には小学生ぐらいの男児1人を岸壁で見かけており、「自分にも同じぐらいの子供がいる。捜索について何か情報があれば教えてほしい。事故の原因については、自分からは何も言えない」と沈痛な表情で語った。

出港の準備をしていた漁業の男性(29)は「昨日の午後は波が3メートルぐらいあったので、午前中に引き上げるなら大丈夫だったろうが、午後に戻るのは遅かったのではないか。浸水もたいていは船尾からで、船首から浸水したというのもよく分からない」と首をかしげた。別の漁業の男性は「波が午後に高くなったから、会社などと連絡をよく取っていなかったのではないか」と言葉少なに話した。

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