これやこれで我慢の限界とかもう審判できないだろ


 伏線はあった。白井球審は外角低めの判定が厳しかった。佐々木朗は初回無死一塁、打者・西野の外角低めに投じた初球がボールの判定をされ、少し態度に見せた。そして2回先頭の頓宮への2―2から外角低めに投げた直球のボール判定に、不服そうに苦笑いした。その積み重ねで、白井球審は我慢の限界に達したのだろう。

 ストライク、ボールの判定に対しては監督でも抗議できない。投手が抗議したら秩序を乱すことになり、白井球審は18年にもボール判定に暴言を吐いた阪神・メッセンジャーを2回で退場にしたこともある。「鉄は熱いうちに打て」ではないが特に若手に厳しく、2軍の試合になると顕著だ。完全試合で注目を浴びる佐々木朗も高卒3年目の若手であり「教育的指導」をした。

 ただ、今回は暴言を吐かれたわけでもない。佐々木朗の態度に注意したいのなら、イニングが終わったときや試合後にすればいいことだ。円滑に試合を進めるべき立場にある審判が、試合を止めてまでやるべき行動ではない。感情をコントロールできない審判が、冷静なジャッジができるとも思えない。(スポーツ部野球担当部長・飯塚 荒太)