2016年のサンデースポーツ子供の日スペシャルにて

子供「和田さんに質問です。僕は左利きなんだけどキャッチャーをやっています。どうしてプロ野球には左投げのキャッチャーがいないんですか?キャッチャーは諦めたほうがいいですか?」

和田一浩「え、僕に聞くんですか(笑)
確かに昔はキャッチャーやってましたけど、とっくにキャッチャーはクビになったんですよ(笑)

まあ、今日はキャッチャーやってたのが僕しかいないみたいなので真面目に答えますね。
左利きのキャッチャーは不利と言われているんですが、これは色んな理由があります。

違和感があるのでピッチャーが投げにくい、
右バッターが打席に立つと投げる腕が打者と被ってしまって邪魔になるので盗塁を刺しにくい、
左方向に投げるときには身体を反転しないといけないので三盗が刺しにくい、
ホームでのタッチプレイでランナーが走ってくる方向と反対側の腕でタッチすることになるので難しい、
などがよく言われることですね。

だけどこれ、どれも決定的な理由ではないんです。
ピッチャーの違和感はやってるうちに慣れるし、
左バッターが打席に立ったときには逆に右投げのほうが盗塁を刺しにくいので左バッターが増えた今ではどっちもどっちだし、
三盗が刺しにくい代わりに一塁への牽制は右投げよりも素早く投げられるし、
ホームのタッチプレイはブロックしながら身体を捻ってタッチするのが難しかったんですがコリジョンルールの導入で関係なくなって来ています。

じゃあ本当の理由は何かというと、前例がないから左利き用のキャッチャーミットがなかなか買えないとか、そもそも指導者にキャッチャーをやらせて貰えないとか、そういうところにあるんだろうと思います。
さっきも説明したように左利きのキャッチャーが不利な理由っていうのは徐々に減ってきているんですね。
だからいずれはプロ野球でも左利きのキャッチャーが現れても不思議ではないと思います。

せっかくなので君がその第一号になれるように、これからもキャッチャーとして頑張ってください!
キャッチャーとしてしっかり練習していれば、もし上手く行かなかったとしても、そこから外野手に応用も効きますしね。
僕がその証拠です(笑)
でも、他のポジションに移るのは僕みたいにキャッチャーをクビになってからでいいんです。
自分から諦める必要なんてないので、今はキャッチャーとして精一杯頑張ってくださいね。
そんな感じですかね」