自販機本(じはんきぼん)とは、1970年代中頃から1980年代中頃まで自動販売機で売られていた成人向け雑誌である。ビニ本やアダルトビデオといったエロメディアが登場するまで、日本のエロ文化の中核を担った。

衰退
1980年頃より、ビニール本(ビニ本)と呼ばれる性器や陰毛の修正が薄い過激なエロ本が登場したこともあり、自販機本は縮小、衰退の道を辿った[2]。また未成年者が自由に購入できる自販機のエロ本は、しばしばPTAや警察の目の敵にされ、自動販売機での出版物販売に対する規制強化が年々進んだ。

1980年には日本PTA全国協議会が、有害図書販売規制立法の請願を国会に提出し[8]、43都道府県の地方公共団体が青少年保護育成条例による条例制定を行った[9]。これが決定打となり、1980年代中頃、ついに自販機本は絶滅に追い込まれた[2]。

なお現在も、店の外側に自販機を置き、営業時間外でも雑誌を買えるようにしている書店や、アダルトグッズ専用の自販機にエロ本が収納されている事例もあるが、これは店頭売りの雑誌を単に自動販売機に収容しただけで、自販機用に作られたエロ本ではなく、通常これらは「自販機本」とはいわない[2]。2018年(平成30年)では、約500基の自動販売機がエロ本やアダルトDVDを販売するのみである[3]。