実はチームの方針を決めているのは“絶対的権力者”の吉村浩GM
 栗山監督が昨年末に、「来年は3割、30本、間違いなく打ちます。打てなければ大批判してもらっていい」と大風呂敷を広げた17年ドラフト1位の清宮幸太郎内野手(21)も、
今季は打率・190、7本塁打の体たらくで守備でも7失策と足を引っ張った。打てなくても守れなくても2軍降格はなく、チームには白けたムードが漂った。

 斎藤が生き残り、清宮にチャンスが与え続けられたのは、栗山監督による贔屓が要因と思われがちだが、
実はチーム方針を決めているのは取締役球団統括本部長も兼ねる吉村浩ゼネラルマネジャー(GM・56)だ。
吉村GMは2015年の就任前から、監督やコーチの人事、選手のトレードを断行。絶対的権力者として隠然たる影響力を行使してきた。

 吉村GMは、2013年には当時の絶対的なレギュラーだった糸井嘉男外野手(39)を放出するなど、計5選手が動く超大型トレードを仕掛け、球界を仰天させた。
前年のドラフトで大谷を獲得できたことで、当時は投手とともに右翼のポジションでも見込んでいた大谷に定位置を与えるため糸井を弾き出した形だが、結果は大失敗。
大谷の外野手起用は同年中に断念し、投手と指名打者の二刀流に絞らざるを得ず、前年のリーグ優勝から一転、チームは最下位に沈んでいる。

 若手育成にもGMの定めた方針が絶対的な指針として打ち出され、コーチら指導陣が逆らうことは許されない。
栗山監督に必要なのは“情を捨てる”以前に、GMの“呪縛”を断ち切り、本来課せられた監督としての指導力を発揮することなのである。

https://www.dailyshincho.jp/article/2020/11190557/