ダンプ辻のコラム

リードもよかった。1球1球に意味とつながりがあったし、サインを出すのも早かったでしょ。あれは返球するときには次のサインが頭に出てきてなきゃできない。今はどんと座ってから、あちこち見て考えてサイン出してみたいなテンポの悪いキャッチャーが多いけど、それじゃピッチャーも乗っていけないでしょ。投げたあと佐々木がキャッチャーにうれしそうな顔で合図をしたときがあったけど、きっと「どうだ、お前の希望の球で抑えたぞ」という感じだと思います。要はバッテリーが同じ気持ちになっているんですね。

僕はそれを気が遠くなるような捕球回数をこなしてできるようになったけど、松川はいつからできるようになったんですかね。高校時代、どんなピッチャーを捕っていたか知らんけど、たぶん、佐々木みたいに剛球で内容のいいピッチャーだったんじゃないかな。だからそれを当てはめて佐々木をうまくリードした。佐々木は、ね。

　すごいな、とほめまくって最後に落とすようですけど、この間、ほかのピッチャーを受けているときはそうでもなかったな。プロはいろいろなタイプのピッチャーがいます。どんなタイプでもうまく引っ張れるようになったら、ものすごいキャッチャーになるかもしれませんね。

佐々木以外とは合ってない模様