近頃「若者の間で使われるネットスラングが幼稚化している」とネット界隈で話題だ。筆者も自ら確かめるべく「5ちゃんねる」に飛び込んでみて驚いた。例えば現在5ちゃんねるで最大の規模を誇る「なんでも実況G」。ときおり野球関連の活発な議論が行われるものの、あるスレッドではレス(書き込み)の9割が「しゃあっ!」「なにっ!」といった「ひらがなのみ・数文字」のやりとりで占められていた。

「つながりが希薄なネット社会では、ネットスラングは共同体を維持する"合言葉"のようなもの。その合言葉が幼稚化・単純化しているのは、ネット社会ですら人とのつながりが薄れていることの顕れ」と語るのは「ネット文化史概論」「若者よパソコンを捨てろ」などで知られる明治学院大学・沢田洋孝教授。「便所の落書き」とも揶揄されるネット掲示板であるが、このような形でも質の低下があらわれているとは、事態は思ったより深刻のようだ。