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 05年1月、中学3年の冬休みだった。高安は父栄二さんに連れられて当時の鳴戸部屋を訪れた。「相撲は絶対嫌だ」と拒むも「見るだけだ」と説得された。そこで先代師匠の鳴戸親方(元横綱隆の里)と出会う。「完全に捕まりました」。それは心も、体もだった。

 連絡なしに訪れた時間は昼間。ゴミ1つない清潔さが目に留まった。自宅に行くと、いきなり特上ずしが用意されてびっくりした。外出中だった先代は戻ってくるや「脱いでみなさい」。2度目のびっくり。パンツ一丁になり、体中をくまなく触られた。「いい体だ。筋肉がゴムのように伸びる。手足も大きい」。手のサイズは先代よりも大きく「立派な関取になれる」。そして「稀勢の里は両親にマンションを贈った」と聞かされ、さらにびっくり。「もう入ると決めました」。力士高安の誕生だった。

高安が入った時もこれや