「致命的に面白くない」のになぜ大ウケ? “Twitterトレンド1位”を狙う『捜査一課長』ダジャレ好きほどハマる独自路線とは

 地上波ドラマの質の低下と衰退が激しい。4月期は特にジャニーズ事務所のほぼ独占状態で、本当のドラマ好きは顧客層からはずされた感もある。ただし、ジャニーズに頼らず、類を見ない「珍」戦略で気炎を吐く作品がある。

 内藤剛志主演『警視庁・捜査一課長』だ。内藤演じる大岩純一捜査一課長の決め台詞「必ずホシをあげる!」はそこそこ有名だと思うのだが、メディアでドラマ批評をする人々がこの作品を取り上げることはほぼない。

致命的に話が面白くないからだ。それでも新たな試みや無謀な設定と展開で、固定ファンを増やしている(気がするし、私自身もそうだ)。観たことがない方のために、一課長の来し方行く末を解説しよう。


最初は「真面目な刑事ドラマ」だったが…
(中略)
しかし、seasonを重ねるごとにどんどんおかしなことになっている。ムチャブリコント&ダジャレ劇場が定番となり、そっちで話題を呼ぶようになってきたのだ。


神出鬼没! 謎のおじさん・笹川刑事部長

 事件の解決に時間がかかったり、誤認逮捕で一課長自身が不手際の責任をとって進退伺を出したりと、過去作では紆余曲折あった。そんな一課長の直属の上司である笹川刑事部長は、差し入れの大福を持って陣中見舞にくることもあれば、「今回もベリーグッドです!」と一課長を褒めて育てる人格者だったはず。

 ところが、途中からなぜかダンスやジェスチャーで事件解決のヒントを与える「謎のおじさん」と化した。尿意を我慢しながら踊っていたり、自ら手錠をかけてひとりがんじがらめプレイをしていたり。神出鬼没の登場シーンが増え、視聴者もちょっと身構えるようになった。竹刀をもって襲い掛かってきたり、岸に向かってくる船上で手旗信号をしていたり、ロープで吊り下げられて登場したり、ローラースケートで滑っていたり、とやりたい放題の博太郎。最近はロッカーの中から登場し、再びロッカーへと戻っていくのがお気に入りだ。

 そして今期season6の第1話では、防犯カメラ映像に映りこんでいた。なぜか赤いフリンジのついた銀色の全身タイツに、真っ赤なボクサーパンツとエナメルシューズを履いている。
https://bunshun.jp/articles/-/54219?page=2