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 「信じてくれて、ありがとう」。拍手とともに検量室前へと引き揚げてきた岩田はそう言い、真っ赤な目の矢作師とガッチリ握手した。戦い抜いた3週間。6日のNHKマイルCで失格処分を受けると、翌7日に師へ電話を入れ、競馬開催日も含め毎日調教に乗せてほしいと志願した。執念は最高の形で結実した。7回目の挑戦で、夢に見たダービージョッキーの座をつかんだ。

 「本当にうれしい。最後はどっちが勝ったか分からなくてウイニングランはできなかった。凄く幸せな3週間だった。矢作先生や厩舎の方にも理解をいただき、ずっとその背中を感じてきた。ブリランテと死ぬ気で向かい合った」