>>519
欧州でも南米でも、現場の総責任者たる監督とは別に、チーム強化の総責任者としてのスポーツディレクター(SD)が存在している。

国によって呼称に若干の違いはあるが、役割と機能はほとんど同じ。最大のポイントは、監督を含めたチーム部門の全てに関する人事権を掌握して、目先のシーズンだけでなく中長期的な強化までを視野に入れてチームビルディングを行う立場に立っているという点にある。そのために必要な予算もその手に握っていることはもちろんだ。

SDはなぜ必要なのか。それは、チームの目先の勝利を唯一最大の目標として戦うべき現場と、長い目で見たクラブの存続と繁栄を考えなければならないフロントとでは、少なからず利害が異なっており、しばしば対立する関係にあるからだ。クラブの利害を代表して現場の上位に立ち、監督と折り合いをつけながらチーム作りの方向性を定め、その舵取りをするのがSDという存在である。