開幕戦の内野手はショート二岡でセカンド坂本、サードは小笠原道大、ファーストが李承燁だった。
ところが二岡が開幕戦で離脱、李も絶不調で4月途中に二軍へ降格する。
ここは坂本をショート、小笠原をファーストに回して対処するが、さらにセカンドへ入りまずまずだったゴンザレスがドーピング問題で5月下旬に解雇。
スタメン内野手が次々と戦線離脱する緊急事態が発生していた。

このような状況の中で復帰する二岡をどこで使うか。二岡の二軍復帰は6月末。

セカンドには5月にサードで絶好調だった木村が回っており、制約の多い二番でもこの成績ならまずまず。
よって開幕戦のショート二岡、セカンド坂本は考えづらい。
サードは脇谷も二軍に降格しているためショート守備要員でもある古城と寺内で何とか持たせている。

考えてほしい。ここでショートが重荷になっている故障明けの二岡をショートに戻し、
サードでは前年二軍サードの守備率.864の坂本と内野ユーティリティの古城らを併用するのか?
前年にも4試合サードに入っている二岡がサード、坂本や古城をショートで使うほうが自然だろう。
つまりこの図式は「坂本vs.二岡」でははかれない。むしろ「坂本vs.古城vs.寺内etc.」のポジション争いだったのだ。

さらにサードで調整していた二岡は諸事情で復帰が遅れた。
その間に古城は調子がいまいち上がらなかったが坂本はバッティングの調子を上げ、スタメンショートの座を不動のものにしていく。
もし二岡が早く戻ってきてなおかつ7月も坂本の調子が悪いままだったら、さすがに坂本、古城らの併用になっていたと思う。

このように坂本はもろもろの偶然が重なり生まれたチャンスを最後に実力でモノにできたからこそ、ショートに定着することになった。
若手至上主義者がよく言うように「若いから」「高卒だから」だけの理由でわ聖域化されたわけではない。
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