若い世代から情報論やビジネスも含めて「21世紀のインテリジェンスはちょっとやばいんじゃないのか」という、ものの考え方や方法論が出てきてほしいなと思っています。そして、そういう人たちが表れてきた時、初めて「ニュータイプ」と呼べるのだと思うのです。
ちなみに現在、世界にニュータイプが2人いるんですけれど。わかりますか?

――いえ、誰でしょう。

富野 藤井聡太竜王と大谷翔平選手、この2人はニュータイプです! 残念なことに野球と将棋という狭いジャンルなんだけれど、どうも我々と生き方が違うような気がするんです。そして、お二人に共通点があるのに気づきました。簡単です、「謙虚」なんですよ。今まで名を成した人って、何かとブイブイ言うんだけど、このお二人にはその気配がない。
それでいうと、羽生結弦選手をニュータイプに入れるか入れられないか、1カ月くらい考えていたんだけど、やっぱり認められないのは彼の場合、「普通の人の努力」が見えすぎているんです。あのお二人の、高みにヒョイと行ってる感じとはまるで違います。
このタイプの人たちが、それぞれのジャンルから出てきて30人くらい集まった時、時代が変わるかもしれないですね。
今回のプーチンの戦争は時代の揺り戻しと、世界の欠陥というものを見事にあぶり出してくれたので、改善すべきものを教えてくれました。ですから、真の改革は、20~30年じゃなくて、100年後だったらまだ地球にも間に合うかもしれないっていう感じがあります。