菊池柚花が野球を見るようになったきっかけ、広島森下だった

栃木県出身の菊池さんは、野球と縁のない学生生活を過ごしていた。特技は小学校の頃から教室を通い、高校では部活に入っていた書道。それから、中学の合唱コンクールでは伴奏者に選ばれるほどの腕前を持つピアノ。そんな女子が野球と出会うのは、大学2年生の秋だった。

「野球のルールもわからなかったのですが、私の母校、明大が2019年の春に六大学野球でリーグ優勝しました。全日本大学野球選手権も優勝をしまして、大学が盛り上がっていたのがきっかけです。その年の秋に東京六大学を初めて見に行きました」

 当時の明大は広島入りした森下暢仁投手を中心に大学の頂点まで駆け上がった。観戦したのは神宮球場で行われた秋のリーグ戦。ルールもわからなくて不安だったが、チアリーディングや応援団と一緒に心が踊る自分がいた。
「応援が楽しかったです。ピンチやチャンスくらいはわかったので、ハラハラ、ドキドキ……。神宮球場には私にとっての刺激が詰まっていました。そういう感じで野球を見るようになりました」