キャンプでは共演者作りカムフラージュ…『根尾投手計画』は秘密裏に進められていた 落合ヘッドが見た突出した才能
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 プロジェクトが始動したのは北谷キャンプ中の2月23日。根尾に投手もさせたいと発案したのは立浪監督だった。打診された落合ヘッド兼投手コーチは、ひとつだけ条件をつけた。「石川(昂)、岡林、鵜飼もお願いします」。高校では実績はあっても、プロでは未知数。即日、不合格にする可能性もあり、騒ぎを大きくしたくない。だから、最初からカムフラージュのために3人を共演させた。あの日の最速は岡林の145キロ。根尾は144キロ。ただし、本職の目が見た才能は根尾が突出していた。

 「4人の中で、一番ボールを長く持てましたから。岡林は野手投げでしたが、根尾には間(ま)があった。下半身を投手のような使い方ができるからです」

 投球にも打者のスイングにも共通するのが「1、2、3」よりも「1、2の3」。この「の」をつくれるのが本職の150キロで、つくれないのが野手の150キロ。根尾にはあった。あの日からプロジェクトは本格的に、なおかつ極力こっそりと進行した。3月はブルペンが無人になるタイミングを見計らって、投球練習を続けた。開幕後は総力戦でスタンバイ。2軍でデビューし、ついにこの日を迎えた。