>>432
「持家の帰属家賃」とは、自己が所有する住宅を借家だと仮定し、その分の家賃の額を市場価格で評価したもの。CPIのほか、GDPの算出にも用いられているが、実際には市場での取引がない「架空の家賃」だ。そのため、家計調査の「消費支出」や毎月勤労統計調査の「賃金」は、実際の取引を反映した「持家の帰属家賃を除く総合」を使って、実質の前年同月比を算出している。


 問題は消費者物価指数に占める「架空の家賃」のウエートがかなり高いことだ。実に全体の約16%も占めており、実際の家賃相場の値下がり傾向に比例し、4月の「帰属家賃」のCPIは前年同月比0%と横ばい。これが全体のインフレ率を相当低めに抑え込んでしまっているのだ。