阿部ちゃんが冷静なのは意識してやってるんだよね


思い返せば、あの無我夢中だった2年間の阿部は打った後に派手なガッツポーズを見せたし、お立ち台で「最高でーす!」と叫ぶ姿も見せていた。しかし、今はそれがほとんどない。

「大島さんは本当に凄いと思うんです。いい意味でいつも淡々としていて。何年も出続けて、打ち続けている。それってとんでもないことなんですが、当たり前のようにやっています。打っても、打てなくても、淡々と」

 何年も結果を出し続けた通算407セーブの岩瀬仁紀氏の言葉を思い出した。「僕は機械になりたかった。9回にやられると、もの凄く凹む。でも、それを次のマウンドに引きずってはいけない。だから、感情を持たない機械になりたかった。自分を機械化するために毎日同じ時間に同じことを繰り返したんだ」。

「感情を出すか出さないかに正解はありません。色んな選手がいていいし、その方がチームとしても魅力的です。ただ、僕は……」