北海道日本ハムファイターズ・清宮幸太郎が、プロ5年目にしてついに覚醒の兆しを見せている。 好調の裏にあったのは、春のキャンプから取り組んできた打撃改革。“2つの数字”が向上したことによって、大きな成長につながった。 テレビ朝日のスポーツ番組『GET SPORTS』では、プロ入りから清宮を取材してきた前田智徳が今シーズンの進化の理由に迫っている。

◆「このままじゃ終わらせない」5年目の誓い



清宮幸太郎と前田智徳

2021年秋。監督に就任したばかりのBIGBOSSから突然の“減量指令”を下された清宮。 「何かを変えなければいけない」――藁をも掴む思いで指揮官の提言を実行し、10キロ近くの減量に成功した。
前田:「これだけ身体を絞って、打球の飛びはどうです?」
清宮:「今までそれほど飛んでなかったので、全然変わらないですけど。体重が減って飛ばないなというのはあまり感じないです」
前田:「開幕してここまでどうでしょうかね? チーム本塁打数が1位なんですよ。やっぱりBIGBOSSは『ファーストストライク』をどんどん振っていけと言うじゃないですか。それについてはどう思います?」



日本ハムはスイング率、本塁打ともにパ・リーグでトップ(5月21日終了時点)

清宮:「自分はもうずっとそのつもりでやっていたので、違和感は全然ないです。今はたくさんチャンスを頂いていて、絶対にモノにするために毎日毎日取り組みたいなと思っています」 最下位から巻き返しをはかるチームで、清宮は現在、主にクリーンアップとして自身最多を上回るペースでホームランを打っている。(2022年5月22日時点)
言わずと知れた高校時代、3年間で積み上げたホームランは実に111本。2017年にドラフト会議で高校生史上最多タイとなる7球団競合のすえ日本ハムに入団すると、プロ1年目の5月には待望の初アーチ。日本を代表するバッターへ順調な道のりを歩んでいくかと思われた。 しかし、ホームランの数は平行線をたどり(2018年~2020年3年連続で7本)、3年目は打率1割台。4年目の2021年は、プロ入りから初めて一度も一軍に呼ばれることなくシーズンを終えた。 「二軍でも全然思うような成績を残せなかったので、このままじゃ終わらせないというか、いつかいろんなことを言っている人を黙らせるんだっていう風には思っています」(清宮)