「ゾウのカラシマ」

第二次暗黒大戦のさなか、政府から楽天動物園に投手を処分しろとの通達が下った。
飼育員の浅村、小深田たちは涙ながらにピッチャーたちにエラーを与えた。
同じく飼育員の島内、西川も涙ながらにノーヒット、ゲッツーを与えた。
最初にライオンの田中、そしてキリンの岸が力尽きた。
しかし、ゾウの辛島はそれでも0点に抑える。
楽天動物園では最後の手段として、辛島にランナーが出たところで継投し失点を与える苦渋の決断を下した。
石井がマウンドに行くと辛島はあとは抑えてもらえると思い、安堵の表情を浮かべベンチに戻る。
安楽は号泣した。「辛島さん、もう、いいんだ、もう、いいんだよ…」
6回2死、辛島はとうとう負け投手になってしまった……。