マウンド上で右腕を振る藤井の足元。よく目を凝らしてみると、普通のスパイクと何やら形が違うことが分かる。
足先が2つに割れ、足袋の形をしている。このスパイクを作ったのは岡山・倉敷市にある「岡本製甲株式会社」。
ゴルフシューズ生産会社として創業し、約60年の歴史を持つ同社が開発した足袋型シューズ「Lafeet(ラフィート)」をスパイクにしたものだ。

 藤井がこのスパイクを履くようになったのは、ちょっとした偶然からだった。高知でのプレーが認められ、ソフトバンクとの育成契約が決まった昨年12月のこと。
堤尚彦監督のもとに1本の電話がかかってきた。「NPBに戻るにあたって道具の提供がなくて困っていて……」。
このとき、堤監督の隣にたまたまいたのが「岡本製甲株式会社」の守安弘樹さんだった。

「堤監督から『スパイクない?』と尋ねられたので『作りましょう』と」と守安さんは当時を回想する。
もともと同社は足袋型スパイクの製作を目指していた。守安さんと堤監督は以前から繋がりがあり、たまたま年末の挨拶のために、同校を訪れていたという。
12月末に藤井が岡山に帰省した際にスパイクとシューズを手渡し、自主トレ期間で試してもらうことになった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/88c1c4411cdb3ef76b81ae605a242bd1e4cadbfa