私は「N’s method」(エヌズメソッド)、浜松開誠館高の非常勤コーチで指導に当たっています。「挨拶をしっかりしなさい」と礼儀作法で注意することはあっても、トレーニングや野球の技術を伝えたときに、「なぜできないんだ」と怒鳴ることはありませんし、手を上げることも当然ありません。子どもが委縮しますし、うまくなる可能性の芽を摘むことになるからです。

浜松開誠館高の部員たちにはしんどい練習のときも、私は「笑って! 笑って!」とゲキを飛ばします。辛いときもあります。でも好きで始めたスポーツを楽しむ気持ちを忘れないでほしい。教えられたことをできたときに、子どもは心の底から喜んだ表情を浮かべます。誰よりもうまくなりたいのは子どもたちなのです。その取り組みを支える私たち大人には大きな責任があると思います。