インド、オリッサ州マユールバンジ地区のライパル村に住むマヤ・ムルムさん(Maya Murmu、70)が今月9日の朝、野生のゾウに襲われ死亡した。インドメディア『The Print』によると、マヤさんが村にある井戸で水を汲んでいたところ、突然やって来た野生のゾウに踏み潰されてしまったという。このゾウは村から200キロ離れたジャールカンド州のダルマ野生生物保護区から迷い込んだとみられている。

すぐに病院に搬送されたマヤさんだが、その場で死亡が確認された。マヤさんの家族は遺体を自宅に運び、夕方頃に火葬するための葬儀の準備が始められた。するとそこにマヤさんを襲ったとみられるゾウが突然現れて、暴れ始めたのだ。

葬儀に集まった村人たちが逃げ惑うなか、ゾウはマヤさんの遺体に突進して宙へとはじき飛ばした。さらにゾウは地面に叩きつけられたマヤさんの遺体を何度も踏みつけた後、その場を去って行ったそうだ。マヤさんの遺体はゾウが去った数時間後、無事に火葬されたという。

今回ゾウがなぜマヤさんを踏み潰し、遺体にまで襲いかかったのか不明だが、地元メディア『OpIndia』によるとゾウには長期記憶があり、ケニアで村を襲うゾウの群れについて研究を続けている一部の科学者の中には、数年前に同地域で密猟が横行したことに対する「復讐」ではないかという説を唱えている人もいるそうだ。「密猟や縄張りに入られることで、ゾウが人間を嫌いになるケースもある」と報告している。