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「根尾は“捕手”でしょう!」

 この秋口あたりから、ラジオでも、テレビでも、人の集まりでも、ずっと言い続けてきたし、文章にもしてきた。

 そのたび“現場”はドッと沸くのだが、そのあとすぐに笑い声があがる。

 冗談だと思うらしい。私は、そういう類いの話で決して冗談を言うことはない。私なりの根拠を持って、大まじめに話してきたのである。

 だいぶ有名になった話だが、中学時代の根尾昂は、スキースラローム(回転)で世界大会に出場するほどのトッププレーヤーだった。

 おそらくその時に養われたものなのであろう。

 下半身……具体的にいうと股関節、ヒザ、足首、もっと言えば足の指の関節まで、実に強靭に、かつ柔軟に“連動”できる。

 そのメカニズムを活用して、マウンドに上がればスムースな体重移動で腕を振り、外野はもちろんのこと、難しい「ショート」のポジションまで、半年かからずにこなしてしまった。

 ショートを守って、三遊間から粘っこい下半身の連動と踏ん張りで矢のような一塁送球を見せつけられる時、「こいつ、キャッチャーだろう……」と、いつもため息まじりにつぶやいてしまう。

 彼ほど、下半身の粘りと細かなフットワークを生かして、機敏で高精度なロングスローができる高校生はそうはいない。

流しのプルペンが言ってるぐらいや