『大東閨語』によれば、そのありさまが縷々綴られている。

「一夜義盛を御(ぎょ)す。媾興(こうきょう)じて和諧(わかい)し、互いに聖液を漏らす」

「御す」はいうまでもなく、男性が女性を操縦し、歓を交えることであり、また、女性が男性を桃源郷に拉し去ること。「媾(こう)」は「まぐわい」である。

「和諧」は和合で、情交の悦びに耽溺しがなら、互いの聖なる液を交わらせたという意で、聖は精に通じる。

 巴との絶頂の果て、自失寸前となった義盛。その硬起した肉茎が徐々に弛緩しだすと巴は、ふっさりと生暖かく繁った草むらの下にある、極楽鳥花のような鮮やかな暗赤色の蜜濡れの肉の凹みに、深く付け根まで納まっている義盛の淫茎を、今度は「えいっ」と渾身の力で締め上げた。

 義仲の弛緩しかけた暗褐色の肉茎は、瞬く間に上反(うわぞ)りとなって膨張し、「快また快、義盛の満足はいわんかたなく」と再び法悦に耽ることになる。