もの凄い夢を見た。
どんな時も力強く戦い続けたその先の未来で、ドラゴンズは遂に、世界中をも熱狂させちゃっていた・・・。
最高のチームと最高のファン。
この世界に、みんなの心に、でっかい歓喜の花を咲かせる最高のシーズンをさぁ、一緒に始めよう。

どれくらい経ったろうか、京田ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って戦う顔をしなくちゃな」京田は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、京田はふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ベンチから飛び出した京田が目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにドラゴンズの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする高橋の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた