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■開幕直前まで大気汚染が深刻に

一方で、“オリンピック・ブルー”とも言われる青空を実現するために打った対策の中には、「やりすぎ」と批判を浴びたものも。

去年11月以降、北京に隣接する河北省山海関区では、地元政府が次々と住民の「かまど」を封じて回ったという。取材で現地を訪れると、確かに多くの住民の家で、コンクリートやゴムのようなものでかまどが封じられ、使えなくなっていた。

このかまどは、特に中国東北部の田舎では床暖房としても使われるため、多くの住民が寒さに耐えなければいけなくなった。

私たちの取材に応じた80歳を超える老人の家は、屋内でも10℃に満たない寒さで、孫が布団にくるまって勉強していた。老人は、「従わないと大変なことになる、仕方ない」と諦めの表情で語った。

なぜ、かまどを封じたのか?中国メディアによると、この地区は「国家的な大気観測地点」に指定されていて、地元政府が一時的にデータを改善するために、薪を燃やさないよう対策を打ったのだという。

代わりに“クリーンな暖房”として電気を使う暖房器具を渡したというが、取材に応じた住民たちは口をそろえて「暖かくならない」と不満を述べた。



なお五輪後はまた青空なくなった模様