■和生とタイトルホルダーの出逢い
https://number.bunshun.jp/articles/-/852926?page=2

「あれは菊花賞の祝勝会でしたね。次走は有馬記念と決まっていたのですが、武史がエフフォーリアに乗るので、代わりの騎手を誰にしようかという話になったんです。
そこで山田弘オーナーと生産者の岡田牧雄さんと相談して決めました。ピンポイントではなく出来るだけ長くコンビを組めそうだったり、
前任の武史と兄弟であることなど様々な要素はありましたけど、一番は彼の騎手としての姿勢ですよね。すごくマジメで研究熱心ですし、馬のことをよく理解して、呼吸を合わせようとしてくれる。
そうやってひとつでも上の着順を目指す姿が印象に残っていました。オーナーも生産者も同じ考えで、すぐ話はまとまりましたよ」

一方で、このビッグオファーを受けた時の和生は驚きを隠せなかったという。

「ある日の夜に突然、栗田先生から『有馬記念空いてる?』ってメールが来たんですよ。すぐに『空いてます!』って返したんですけど、最初は冗談かと思いました(笑)。
でも翌週に改めて先生と顔を合わせると『頼むからね』と言って頂いて、これは本当なんだな……と。うれしかったですよ。
だってGIを勝っている馬の手綱が僕に回ってくるなんて、普通は考えられないことですから」