世界中の観客がNIRVANAの音楽を聴いて喜び、跳びはね、カート・コバーン自身がかつてビートルズやジミ・ヘンドリックスに憧れていたように、ロックを志す少年たちがサインを求めて自分をずっと待っているのを、「キッズたちがサインを求めてくるのは間違っている」だ?
よくそんなこと言えたもんだな。
アメリカやイギリスやヨーロッパ以外の非英語圏の人間だってNIRVANAの音楽を聴いて言葉もわからないのに感動して、
心を震わせた奴だっているんだ。
アジアの東の果ての隅っこの隅っこでおまえの歌声を聞いて「音楽ってすげえ、ロックってすげえ」って思った奴だっているんだよ。
それをみんなに「天才、天才」って言われるのが嫌だった、「俺はそこいらの人間と同じ、偶像視は拒否するよ」だ?
売れたくなかったなんて甘ったれたこと言ってんじゃねーよ。
世の中には自分の音楽に自信を持って必死でそれを紡ぎ出しても誰にも聞いてもらえず、はいつくばって生きていってるミュージシャンもいるだろ?
おまえが遺書の中に出していたフレディ・マーキュリーのように「君たちが富と名声を与えてくれた、礼を言うよ、ありがとう、俺たちこそが世界のチャンピオンなんだ!」ってなぜ言わなかったんだ?
世界の頂点に立ったバンドなら、聴衆に向かって堂々とそう言ってやりゃいいんだ。
おまえが「僕は天才じゃないんです」「売れたくなんてなかった」っていうことでみんなが好感をもってくれるとでも思ってたのか?
それらの言葉が一番NIRVANAの音楽を心から愛していた者たちの心を傷つけるんだよ。
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