もともと意味を有った外そとの世界が彼の注意を惹ひくというよりは、
むしろ、彼のほうで外の世界に一つ一つ意味を与えていくように思われる。
彼の内なる火が、外の世界に空しく冷えたまま眠っている火薬に、いちいち点火していくのである。