NPBの一軍平均で、ストレートのスピン量は2240~2250回転だが、根尾は平均で2400台半ば、最高値だと2500回転を超えていたという。現時点での得意球であるスライダーもしかりで、NPB平均値を大きく上回るスピン量、変化量を示している。これらはいわゆる「野手投げ」では出せない数値であり、別のベテランスコアラーもハッキリと言った。

「野手の投げる球か、投手の投げている球かという次元ではない。投手そのものの球を投げている。パッとやって、もうこれだけの球を投げているんだから、いろいろなことを吸収していくとさらに上のレベルの投球が期待できるはず」

 まだ5試合、たった69球。投手・根尾を見る前の少し厳しかった評価は、見た後でガラリと変わった。繰り返しにはなるが、変えたのは根尾の実力。そしてこの先の「伸びしろ」が楽しみである。