――スーツにリュックの組み合わせは問題ないのでしょうか

井手講師: 全く問題ありません。3~5月は各企業の新入社員研修に赴きますが、最も多く受ける質問の1つです。研修を行うにあたり、企業の人事担当者に事前にヒアリングを行っていますが、2022年現在、私が担当する企業は100%「ビジネスリュックは問題ない」と答えます。一方で、あくまでリュックサックではなく、ビジネスリュックであることが重要です。

――あくまでビジネスリュックである必要があるのですか

井手講師: 登山用や休日のファッションなどプライベートで使うリュックサックではなく、ビジネスリュックを選ぶ必要があります。今、ビジネスリュックは各メーカーともに、すごく工夫したものを販売しています。リュックとして機能しつつも、持ち手も付いていて、手に持てる仕様になっています。

――ほかにもビジネスリュックの特徴はありますか

井手講師: ビジネスリュックは、底にマチ(奥行き)があるのが特徴です。マチがあることで、床においても自立する。中には、リュックストラップを収納できる商品もあります。このように、ビジネス用に考えられたリュックは全く問題ないでしょう。

 ただし、業界によっては、ビジネスリュックとはいえ、抵抗を抱く人も一定数いる。例えば金融業界。井手講師は、自身も金融業界出身だとし、業界によってはビジネスリュックの使用に慎重であるべきビジネスシーンも存在するという。

――どのようなビジネスシーンが考えられますか

井手講師: 例えば、銀行員の方が初めて大事なお客さまとの商談を控えているとき。その場にビジネスリュックで赴くかというと、「NO」という上司もいます。かつてはビジネスリュックなどは販売されていませんでした。当然、年配の世代には「うーん」と疑問を抱く人もいます。


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