今季の防御率は3・63とリーグ4位。与四死球は520で、最下位・広島の528に迫る5位。1試合平均の与四死球率も3・74で、広島の3・79とほぼ同じだった。球団が解析したデータでは「ストライクゾーン率は12球団で最下位だった」という。どんなにいいボールを投げても、打者を抑えるにはゾーン付近での勝負が必須。完投するにも制球力が不可欠になる。

 「ストライクとアウトは(試合が)前に進む。ボールとセーフは全然進まない。ストライクが取れないと完投できない。ゾーンの中に投げる力と、ボール球を振らせる力。それもコントロール。ホームベース前のワンバウンドなんて誰が振りますか? ストライクゾーンからボールに落とす変化球じゃないと(打者は)食いついてこない。そういった意識づけをしていきたい」

 制球力向上のため、今春のキャンプから傾斜で投げることを勧めてきた。課題をつぶさないとV奪回は見えてこない。桑田投手チーフコーチがどのような“治療”を行うのか、手腕に注目が集まる。(玉寄 穂波)