総務省『令和3年度課税標準額段階別所得割額等に関する調』で、東京都23区、それぞれの年収事情をみていくと、トップは都心に位置する「港区」で1,184万6,562円。23区で唯一、1,000万円の大台を突破しました。

「港区」といえば、青山や白金など、全国区の高級住宅地が点在。さらに高さ60m・20階以上の高層マンション、いわゆるタワマンが多く集積し、成功者が住むエリアというイメージが強いエリアです。
東京商工リサーチ『全国「社長の住む街」調査』では、住民の7人に1人は社長という、驚くような結果が出ています。

一方で23位は東京都の東部に位置する「葛飾区」で356万8,147円。1位「港区」とは、同じ23区とはいえ、実に3倍近くの給与差が生じています。

同じ23区でこの給与差。その原因は色々と考えられますが、そのひとつが就業構造。
「葛飾区」をはじめ下町は、職住一致の中小零細工場、いわゆるブルーカラーが多く、管理的商業や専門的技術的職業の人が多く住む都心地域と比べて、平均給与で比較した際に、見劣りがしてしまいます。

50年前、都心と郊外区の地域では給与差は1.5倍程度でしたが、都心から工場が移転し続けたことで、都心のホワイトカラーの比率は拡大の一途。それにより、都心と郊外の給与差は3倍にまで広がっていったのです。